短歌研究社刊 最新刊歌集・歌書

・全国書店からご購入できます
・インターネット、メール、お電話でのご注文も承ります ネットでのご注文はこちらからどうぞ
・送料表示のないものは一冊200円です


『人の道、死ぬと町』

斉藤斎藤歌集
『人の道、死ぬと町』



2016. 9.16刊/A5判変形/364頁
定価3,240円(本体3,000円)
ISBN 978-4-86272-499-1

2004年から2015年まで、12年ぶりとなる第二歌集。
装幀=中島浩

今だから、宅間守
人体の不思議展(ver 4.1)
証言、わたし
私の当事者は私だけ、しかし
広島復興大博覧会展
親指が数センチ入る図書館 ─目次より


『真珠層』

梅内美華子歌集
『真珠層』



2016.9.16刊/四六判/ 176頁
定価2,916円(本体2,700円)
ISBN 978-4-86272-501-1
新かりん百番 No.91

惜別と寂寥をしずかに秘めた光に重ねて
第48回短歌研究賞受賞作「あぢさゐの夜」20首、受賞後第一作「七つの鞍を置く馬」50首を収録
装幀=倉本修

水の裾ひきゆくやうな空の色夏至に近づく長い夕暮
脈拍の落ちゆく父が眠る夜をあぢさゐは花毬増やしてゆくも
降りおちてまるくなりゆく時の層しづかに胸にきたる真珠は
陽の色の甘きマンゴー食むごとに強烈な女になる錯覚あり
人生は「あの日」を積みてゆくものかスクランブルに熱風くだる
赤き玉とろりとできてこぼさなかつた泪のやうな線香花火


『晴れ・風あり』

花山多佳子第十歌集
『晴れ・風あり』

 

2016.8.11刊/四六判/244頁
定価3,240円(本体3,000円)
ISBN 978-4-86272-493-9

短歌研究賞受賞作「雪平鍋」、
受賞後第一作「晴れ・風あり」を含む
2008年より2012年までの
作品425首を収録

    夕風はにはかに出でて水平につくつくほふしのこゑ流れたり
    舗装路にころがりゆくもの雀らであればあちこちを向いて止まりぬ
    白金のかがやきに目をうばはれて雪平鍋をまた一つ買ふ
    筆談をせむと思へどリア王のごとくに父は目を閉ぢてをり
    被災せし人は誰も見ず 鳥瞰的津波映像を見るはわれらのみにて
    柏市の線量高し 三月十四日「晴れ・風あり」と手帳に記しあり

    装幀=菊地信義


『評伝  春日井建』

岡嶋憲治著
『評伝 春日井建』



2016.7.18刊/四六判/420頁
定価2,916円(本体2,700円)
ISBN 978-4-86272-496-0 送料250円

三島由紀夫に
「若い定家」と称された早熟な歌人は、
歌とわかれ、
しかし歌に帰った−−−−
 

師、春日井建の畢生の評伝
寂寥を生きた歌人の生涯を克明に描出する

…一九九七年三月、私は「短歌」の編集スタッフに加えられた。爾来、亡くなるまでの七年間、編集日と月例歌会には必ず顔を合わせるという、私と建との関係が始まった。それまでにも校正など、編集の補助的作業に携わっていたが、月に二度、必ず会うようになったのはこの時が初めてである。
 それを機会に私は、建と短歌に関するメモを取り始めるようになった。以後、編集日に建から聞いた話や短歌関係の言行が日付入りで記録されている。したがってこの評伝の記述も、九七年春以降、「行状記」としての精度が格段に増すことになる。     (第五章「今に今を重ねて」より)  

『未青年』収録歌異同対照表付
 装幀=間村俊一

『石本隆一全歌集』

石本隆一著
『石本隆一全歌集』

 

2016.3.31刊/A5判/592頁
定価10,800円(本体10,000円)
ISBN 978-4-86272-487-8 送料250円

「ジュラルミンの光に似た天稟」と師に言わしめた、
地に在る天狼は翼をもって自在に時空間を行き来する


病を得てからも変わらず、生ある喜びを
自然に、日常に託し、愛に満ちた歌をうたいつづけた

その都会的で瀟洒な感覚に溢れた全十三集を収録


◆収録作品
ナルキソス断章
木馬騎士
星気流
海の砦
鼓笛
天狼篇
水馬
つばさの香水瓶
流灯
やじろべえ
いのち宥めて
赦免の渚
花ひらきゆく季
      (全13歌集4583首)

◆栞(書評再録)


来嶋靖生/五島美代子/大岡信/本林勝夫/越智治雄/八杉龍一/山下一海/栗木京子/
松平盟子/江畑實/田野陽/橋本喜典/ 松田慎也/伊藤一彦/小島夕果

雪とラトビア*蒼のかなたに

紺野万里歌集
 『雪とラトビア*蒼のかなたに』



2015.12.8刊/A5判/220頁
定価2,160円(本体2,000円)
ISBN 978-4-86272-472-4



 バルト三国のひとつ、ラトビアの人々と短歌を通じて交流を深めた日々。
多くの未知の経験により、「何が伝わったのか」を自らに 問い、改めて言葉の力を思う。
変わらぬテーマである「いのち」 のこと、原発、ヒロシマ、
さらに東日本大震災のこと―――――

「今」を 永遠の時間の中で捉え、知的な眼差しで歌う作者の、
『星状六花』につづく 待望の第三歌集!

空ふかくしまはれてゐしものがふと零るるやうに初雪がふる
大陸のむかうの端で機を織る人とわれとを雪が結びぬ
廃仏となりてふげんは十余年いまだ御身に冥王を抱き
日本のお土産ですと渡す菓子「見るだけでも」と言葉を添へて
生命の鎖の先端なるきみのとほき親戚ハルキゲニアも  

*平成28年度日本歌人クラブ北陸ブロック優良歌集に決定しました*(2016.4.12)

 
『土左日記殺人事件』

紀野恵歌集
『土左日記殺人事件』

 

2015.10.27刊/四六判/176頁
定価3,240円(本体3,000円)
ISBN 978-4-86272-466-3

千年のちの土左日記は何か起きさう

    舟べりに日記書き付くるけふよりやをとこもすなることなべてせばや
    舟路なれど餞(むまのはなむけ) 義兄君はつまらぬ言をつまらぬ風に
    或る人の不在を願ふ不在を願ふうつし世からの消去を願ふ


『ヤマト・アライバル』

香川ヒサ第八歌集
『ヤマト・アライバル』


2015.11.1刊/A5判変型/168頁
定価3,024円(本体2,800円)
ISBN 978-4-86272-461-8


英国、アイルランドと日本。
グローバリズムと伝統。
それらの往還を通して、相対主義の行き着いた果てなる
今世紀に見えてきたもの。
現在を超える時間のほの明かり。

  


  日盛りの丘の上より下り来てどこか遠くから帰つたやうだ
  闇が濃くなりゆくばかり眠らむとする者は部屋を暗くするから
  火を見つつ思ふ思想は感覚の影なれば常に暗く虚しも
  飼ひ主を選べない犬隣家に飼はれたかつたと思つたことある
  枝先に林檎明るくそれぞれの高さに揺れて風の行きたり
  星座持つ人ら集へりひさかたの星の友情信じてみよう
 


   
 


『薔薇断章』

尾崎左永子第十三歌集
『薔薇断章』


2015.10.6刊/四六判/216頁
定価3,240円(本体3,000円)
ISBN 978-4-86272-468-7



色濃く私に纏わりつづけた
『さるびあ街』からの
脱出が出来たとすれば、
今は亡き夫と子への
虔ましい献辞となっていることを
信じたい。  (後書より)


坐ることなきままに置く椅子の位置すでに現世になき人のため
生きて来て悔ゆべきことのありやなし晩秋の街にサルビア朱く
抒情など捨てんと思ひ定めたる若き傲慢をなつかしむいま
一瞬の時空とらへて揺るがざるこの小さなる詩型を愛す
娘が病めば自責の思ひ堪へがたし母なる位置を放つすべなく
八重咲きの白き木槿の花閉ぢてひそかに蔵ふわが心の喪

*第31回詩歌文学館賞受賞
『桜の木にのぼる人』

大口玲子第五歌集
『桜の木にのぼる人』



2015.9.8刊/A5判/240頁
定価3,240円(本体3,000円)
ISBN 978-4-86272-452-6


フランシスコ・ザビエル (1506-1552)
デイートリッヒ・ボンヘッファー (1906-1945)
彼らもまた、桜の木にのぼる人だった――


2012-2014
東日本大震災後の
世界を生きる。



かじかなく沢辺にほたる追ひながら子はいくたびも視界から消ゆ
冬空をのぼりゆく鳥の飛翔感きてミサ中の眼閉ぢたり
人間を焼く火、言葉を焼く火ありメンデルスゾーンの楽譜も燃えて
散りはじめたる桜の木にのぼる人その幹を深く抱きてのぼれり
産めと言ひ殺せと言ひまた死ねと言ふ国家の声ありきまたあるごとし

*宮日出版文化賞受賞

『北窓集』

柏崎驍二歌集
『北窓集』



2015.9.8刊/四六判/192頁
定価2,700円(本体2,500円)
ISBN 978-4-86272-449-6

かつての風景は遠ざかり 北に開いたわが窓からは 何が 眺められるだろう

くわんざうもぎしぎしも梅雨に茂りつつみちのくはいまみちのくの息
窓あけて仕事する部屋昏れづきて友の置きゆきしバジリコ匂ふ
逃れ得ぬ風土のありてこの川に戻りくる南部鼻曲がり鮭
波の共(むた)ながれし人を思ひつつ小十郎やブドリの最期を思ふ
傷をもつ林檎は傷を癒やすべくたたかひて内に糖を増すとぞ
歌書きて五十年過ぐおそらくは私の外のなにかのちから

短歌研究賞受賞作「息」を含む、
東日本大震災、そして、その後のみちのくを
静謐な、しかしゆたかな抒情の中にうたう第七歌集

*第27回斎藤茂吉短歌文学賞受賞

『蓮喰ひ人の日記』

黒瀬珂瀾歌集
『蓮喰ひ人の日記』



2015.8.30刊/四六変型判/220頁
定価3,024円(本体2,800円)
ISBN 978-4-86272-424-3

2011年、バレンタインデーに
ダブリンに入った僕たち。
ロンドンに居を構え、
やがて父と母と子の三人になった。
遠く母国から離れて知る
東日本大震災の一報、
暴動に燃え上がる街、
多民族が集う土地での子育て、
異文化の中で過ごした十三ヵ月、
帰国を前に思う、
この旅の、
行方は僕にもわからない。

イギリス歌日記 十三ヵ月


 アイルランドの首都ダブリンに着いたのはSt.Valentine's Dayの夜。総選挙が近いのか街中に候補者のポスターが。
赤き薔薇ささげて待てる青年を過りて我ら旅のはじまり
3/11 あれは貴方の国ぢやないのかと言われ、テレビを見上げる。
水はあんなに黒くなるのか音の無き画面は暗き朝に開きぬ
7/13 本来の出産予定日は今日。一時間ごとに乳をせがむ。
アスパラガス嗅ぎつつ見ればなんといふ決意の顔で乳房に挑む
9/6 ロンドン一美味しい餡パンは、ソーホー中華街の金門餠店、といふ結論に。
明日へわれらを送る時間の手を想ふ寝台に児をそつと降ろせば
3/26 「yesとあたしは言ったyesいいことよyes」(『ユリシーズ』)
妻と児があれば我など誰でもいいひかりを諾ひ生きゆかむかな

*第14回前川佐美雄賞受賞

『虚空の橋』

内藤明 第五歌集
『虚空の橋』



2015.7.21刊/A5判/220頁
定価3,240円(本体3,000円)
ISBN 978-4-86272-446-5

歌の師を喪い、
母と父を見送った、
五十代最後の二年間。
十一編の私小説のごとく、
時代の翳りと日日の祈りが、
過ぎていく時間の中にただよう。


取られたる上下の歯型がテーブルに並び置かれて笑ふやうなり
クロゼットの奥に縛られ二十年人の姿を映さぬ鏡
てのひらに判読不明の文字浮かぶむすんで開けば橡の実ひとつ
父たちの戦後をときに蔑し来て何も持たざるわれらとなりぬ
裸足にて海界越ゆる橋あらば日の暮れ方を渡りゆかむを

         *第50回短歌研究賞受賞作「ブリッジ」を収録

*第20回若山牧水賞受賞
*第2回佐藤佐太郎短歌賞受賞


『若山牧水』

伊藤一彦著
『若山牧水-その親和力を読む』



2015.6.22刊/四六判/260頁
定価2,160円(本体2,000円)
ISBN 978-4-86272-459-5

牧水の歌が人びとに広く愛誦されるのはなぜなのか
恋の歌、旅の歌、自然の歌を読み解くことでその秘密に迫る


【目次より】
牧水という人品
運命の女-小枝子
若き日の牧水の自然と「かなしみ」
牧水における和語と漢語
『別離』(上巻)の区切れを見る
牧水の破調・自由律を読む
何故に旅に-牧水の場合
ターニングポイントの花-牧水と山桜
その親和性-『くろ土』の世界

  

*第57回毎日芸術賞受賞
*第38回現代短歌大賞受賞