短歌研究社刊 歌集・歌書 2010年刊

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中城ふみ子

佐方三千枝著『中城ふみ子 そのいのちの歌』

2010.4.22刊/四六版/312頁
定価3,240円(本体3,000円)
ISBN 978-4-86272-194-5

ここに精緻な「ふみ子百科」は出来上がっている。あとは静かに読むことだけが残る。虚妄の巷説を打ち倒し実像を立てるためには、徹底的に事実・実証主義に依らざるを得ない。頑ななまでにおのれを維持させざるを得ない。 ─田井安曇〈序〉より

想像や憶測を排し、一人の尊厳を持つ女性としての中城を、時に共感し、時に哀しみながら凝視してくださったこと、中城ふみ子の妹の立場から見守ってきた私にとっても、何よりの贈りものと感謝申し上げたい。 ─野江敦子〈跋 中城ふみ子の妹として〉より


野の虹

塩澤嘉代子歌集『野の虹』

2010.4.13刊/A5判/280頁/
定価3,240円(本体3,000円)
ISBN 978-4-86272-192-1

夫への鎮魂歌集『ジャカルタの雨』から十年。師土屋文明の「めいめい思ひ思ひにただ作るべし」との言葉に従い、次男を失った心の空白を埋めるために編んだ第二歌集。

山の家は漂ふかとも濃き霧の白々とにぶき光の中に
夫の名の付けられし小さき図書室に医学書購ふ円を託せり
音を立て驟雨の来れば人も木も揺らぎてやさし影絵のごとく
「大原御幸」謡ひ終りて出づる庭曼珠沙華きほへり白き花赤き花


いづくにもあれ

宮本朋佳歌集『いづくにもあれ』

星雲叢書
2010.4.6刊/A5判/216頁/
定価2,916円(本体2,700円)
ISBN 978-4-86272-190-7

「いづくにもあれ、しばし旅だちたるこそ、目さむる心地すれ」で始まる『徒然草』第十五段より題名をとり、起伏ある人生という旅を歌った第二歌集。

いでや昭和戦の日々の回顧録凩ばかり鳴り止まぬなり
子二人戦地にあれば兵なれば父母祖母の常黙ふかき
波に休みさて飛び立たむ小千鳥のいづくにもあれ旅の一群
どの家も咲く木犀の薫る道坂のぼりゆきふるさとの家


いのち開きて

衣笠祥子歌集『いのち開きて』

礫叢書
2010.3.31刊/四六判/180頁/
定価2,571円(本体2,381円)
ISBN 978-4-86272-189-1

農家の主婦として、また小学校教師としての多忙な日常にあって、年々変わりゆく身の回りの自然や、子供たちとのふれあいを綴った第一歌集。解説・由良琢郎

夜桜を照らす光は一筋の柱となりて天空を指す
早朝の早苗田に立つ青鷺は首から進む音もたてずに
手のひらで絞ればぼとりと雨水の落ちてきそうな曇り空見つ
あわせ持つ教師の顔と農の顔 野良着姿は夏草匂う


『水滴』

足立洋子歌集『水滴』

礫叢書
2010.3.25刊/四六判/164頁/
定価2,571円(本体2,381円)
ISBN 978-4-86272-186-0

「水滴が地に吸い込まれていき、再び陽の中で上昇してゆくことを思うと、死から再び生への希望を感じさせられます」(あとがきより)。解説・由良琢郎

水滴がこぼれるようにゆらめいて青い地球は月に沈みぬ
上がるとも下がるともなく胃の上に涙のしずく 止まる思い
鍵盤が緑に染まる昼下がりモーツアルトを樹々に止まらす
苔にいる小鳥の足のルビー色雪見障子の小さな宇宙


『余白の翼』

清水弘子歌集『長等山麓』

好日叢書
2010.3.20刊/A5判/216頁
定価2,700円(本体2,500円)
ISBN 978-4-86272-193-8

「著者の長等山の作品には四十余年という長い歳月の重みがある。一首一首に山に対する愛着が秘められている。そしてその思いが読者に伝わってくる。」(小西久二郎「序」)

ひぐらしの声しずまれる長等山一気に秋の気配につつまる
落ち葉掃く手を休ませて風を吸うわれの職場の長等山麓
寂しさよさくら散る散る長等山花びら積る夕暮道に
みぞれ降る長等の山に木霊してさお竹売りの声ほそりゆく


男って、かわいそ。

凛久歌集『男って、かわいそ。』

2010.3.3刊/四六変型/132頁
定価1,026円(本体950円)
ISBN 978-4-86272-187-7

「子育て」とは喜び、驚き、戸惑い等、あらゆる感情味わい、子とともに成長してゆくこと―作詞・作曲家でもある著者が、生後百日から幼児期に至るわが子の成長を綴った第一歌集。

生活の一部じゃなくて百部だよ子育てどう?と聞かれ応える
ほっぺたを胸にくっつけ眠る子の小さな寝息数えてみたり
許すこと諦めること生きること君と暮らして変わる意味たち
うたの中に綴られた君鮮やかに きのうも今日もあしたも今も


『余白の翼』

小原起久子歌集『余白の翼』

2010.3.2刊/四六判/152頁
定価2,571円(本体2,381円)
ISBN 978-4-86272-188-4

日常を知的に掬い上げつつ、私という「個」を一首の中にいかに普遍化するか、を求め続ける
―「HANI(埴)」編集に携わる著者の第二歌集。

ひとひらの蝶しずみたるあたり白き茸が月に立ちたり
みどりごの哭く声がする億年のかなたに開く夜更けの窓に
北を枕に夜も明るき列島の形をまねて眠らな春へ
天涯のいずかたより来し 今日われの心うるおす一滴の水


いのちの旅

森富男歌集『いのちの旅』

2010.3.1刊/四六判/232頁
定価2,700円(本体2,500円)
ISBN 978-4-86272-184-6

16歳でネフローゼ症候群という難病に倒れ、以来病と闘いながら福祉の道を歩んできた著者が、命の貴さ、「生かされる」ことの意味を問うた第五歌集。

透析器をめぐる血流の澄む音を賜る命の讃歌とも聴く
世に後れ人に遅れて病み継ぐに雫の如きぞ我が残生は
不治の身も怯むなかれと戒めむ酷寒に凛と咲く梅見れば
那須岳より雪まじりつつ吹く風の野に渦巻きて雪炎立てり


般若寺山

大町晨策歌集『般若寺山』

朔日叢書
2010.2.24刊/四六判/176頁
定価2,571円(本体2,381円)
ISBN 978-4-86272-182-2

長年にわたる教職生活。20年間の妻の介護とその死。迫り来る自らの老い。自己を見つめつつ、誠実に生きる著者の第一歌集。序・外塚喬

われに従きわれを追ひ越すこどもらに満ち足りて朝の校庭走る
妻の着るパジャマの丈をつめんとし待針といふを初めてつかふ
離れてもすぐに寄りあふ柚子ふたつ脚を伸ばして湯船にひたる
人を恃むをよしとせざりしわが性を狭小などとはつひぞ思はず


紀の川の四季

平松寿子歌集『紀の川の四季』

かぐのみ叢書
2010.2.15刊/四六判/176頁
定価2,571円(本体2,381円)
ISBN 978-4-86272-178-5

紀の川のほとりに住み、先祖伝来の田を守ってきた著者が、春夏秋冬を繰り返す自然と、その古里での生活を克明に詠んだ第一歌集。序・林善衛

ぬるむには未だ間のある川ながら萌ゆる兆しの草土手匂う
低く飛ぶ白鷺の影も映さざり出水に濁る今日の紀の川
連弾せし友もはるけく思い出て低音部弾くに右肩寒し
今になお軍手と呼び名もつものを抗いもなく農作業に嵌む


『海に降る雪』

竹村冨士子歌集『海に降る雪』

2010.2.8刊/A5判/208頁
定価2,700円(本体2,500円)
ISBN 978-4-86272-185-3

海外への技術輸出に携わる夫、受験期の子供たち、自らも仕事を持つという日々の中で短歌に出会った著者が、婚50年を機に、今日までの足跡を纏めた第一歌集。

夫在すトルンの街に降る雪も同じものかとてのひらに受く
海に降る雪の潔さを見むとして人は立ちしか気比の松原
咲く桜追ひて旅する昨日けふ醍醐の枝垂れ根尾の淡墨
もう一度夢に戻りたし留め袖を裁ち合はす母の手元見てゐき


邯鄲

長友くに歌集『邯鄲』

かりん叢書
2010.2.1刊/四六判/176頁
定価2,700円(本体2,500円)
ISBN 978-4-86272-183-9

「この数年の間に身近な人々を相次いでなくし、さらに老いを深めていく父を見て、『時』に記憶の楔を打ち、繋ぎとめておきたくてこのような歌集を編んでみました。」(あとがき)

ふり乱れまた降り乱れ雪の描く無限の軌跡わが頬を打つ
薄闇に蠢くものを怖れればわが影に添うこれもわが影
最上川岸のすすきの片なびき恋はひたすら心をつくす
六十余年夢と過ごして日本のついに失うか枕・邯鄲


『はだら雪』

長嶋理子歌集『はだら雪』

槻の木叢書
2010.1.20刊/四六判/240頁
定価2,700円(本体2,500円)
ISBN 978-4-86272-179-2

小学校教諭として33年間。その後短歌を始めた著者が、父とも慕う故郷の山、鳥海山の美しい姿にちなみ、『はだら雪』と名づけた第一歌集。 序・来嶋靖生

はだら雪ひかる鳥海山頂にヤアと手を振る父のまぼろし
ねぢばなの花の階段のぼりゆけば少女の頃の吾に会はむか
風切りて川面駆けゆく白鳥ら飛び立つまでを声も立てざり
敬老会に百歳の母が歌ひます声ふとぶとと「ふるさと」の歌